11.23.00:50
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11.09.20:47
何とはなしに小噺を。(戦ムソ小噺)
相変わらずスランプってる訳だけれど文字は書ける。って事で懲りずに三政。だって好きなんだもん!
三成が動かし易い気がする、からかも知れない。でもそもそも3で政宗様が三成救出とかしちゃうからイケない。罪作りな子!政宗様ったら!
今日だけで一体何回ブログ更新してんだろうとか思っちゃいけない。ていうか今日だけだと思う。私は本来遅筆なのだよ、文字に関してはね。スランプさえ抜ければ絵は速いよ!少なくとも平均は超えてる、筈・・・だ。弱気。
まァそんなこんなで三政です。前回よりは長いです。
秋の夜長。
静けさの中に忍ぶ虫の音は、書を読むには丁度好いのは確かだが、灯りの世話が如何せん手間である。
別に其処迄不精する心算は毛頭無いが、蝋は勿論、油とて只では無いのだ。正直余裕が在る訳では無いのだから、出来得る限りは節約したいと云うもの。
先程から儚く揺れ始めた横の燭台についと眼をやれば、矢張りと云うか心許無い油の量に、此処らが潮時かと息を吐く。出来れば此の書簡は読了させて仕舞いたかったのだが。
せめて望月なれば、其の明りで代用は出来よう。不意に消えた灯りを気にする風も無く、立ち上がり襖を開け、縁側に出る。
遮る物が無くなり直接耳に届く虫の音と、其れが響く庭を仄淡く照らす光。
月は出て居たが、其れは余りにも細やかな、凛とした三日月。
蛾眉を眼にし、其の胸に過るは秋の襲来を感じ入るより速く駆け抜ける面影。
月剣を前立てに掲げ、戦場を疾駆する未だ青年に為ったばかりの少年。煌煌と光を放つあの眼は正に、欠けたるを知らぬ三五月。
そう思うと不思議と得心した。成程、月は二つも要らぬ。一つきりだからこその美しさであり、愛でようと云う気にもなる。
模倣物に過ぎぬ前立てが、苛烈な印象を与えるのは其の下の三五月の輝きを帯びて居るからだとも思えば、妙に説得力が在る気がした。
無論気の所為なのだろうが、何故だか赤備えの友人が力強く肯定する様が安易に想像出来た。何かと気に掛けている様だし、強ち間違った予想では在るまい。が、然し何か気に食わなかった。
月見がしたい。
誰にも邪魔されずに、月見がしたいと。強く思った。
す。静かに開けられた背後の襖。
「失礼しますよ、殿。そろそろ御休みに為られては如何です?」
何時の間にか蛾眉は中天に差し掛かり、虫の聲も融けていた。其れ程迄に時間が過ぎて居ようとは思ってもみなかったが、床に向かう気にも為らなかった。
「…左近か、好い処に来た。酒を持ってこい。それと、文の用意だ」
伏せて居た強面の、眉が顰められたのが、縁側に腰掛けた背中越しでも解った。就寝を進めに来たと云うのに受け入れられない。それどころか所用を命じられたのだから当然である。
だが其れでも、其の眼は月剣から逸らされる兆しは見せない。
主の其の背に何を視たのか、左近はやれやれと云う代わりに息を一つ吐いた。大方、肩を竦め苦笑して見せて居るのだろうが、残念な事に振り返る心算は毛頭無かった。
「解りました。一足早い月見ですかい?一寸ばかし速過ぎやしませんか」
時間はもう遅いですがね。厭味たらしく釘を刺すのを忘れない。
「気分だ。時期が来れば其の時は、其れなりの相手と楽しむ」
「文は其の御誘い、って事ですか」
「そうだ」
言外にさっさと行けと匂わせれば、意を汲み取ったらしく二度目の溜息が聞こえた。
「ああそうだ、殿。一つ、其の、其れなりの御相手とやらを左近に教えちゃくれませんかね」
所用を済ますべく退こうと閉め掛けた襖を止め、左近が振り返る。声音から察するに何の事は無い、只の興味だ。大方、あの気難しい主が月見に誘おう等と思わせる相手とは何処の誰か、とでも思ったのだろう。
「…そうだな、」
別段隠す様な事でも無いのだが、以前此の部下を連れて訪ねた折、何故だか左近に懐いた三五月が陽の光に負けぬ輝きで彼と語らって居たのを思い出し、素直に教えるのは面白くない気がした。
「三五月と共に、秋の夜長を」
*******
三日月は秋の季語。俺は三政が好きなんだよ。三成は月を見上げ過ぎて首が痛くなるとしても政宗様が好きなんだよ。と云う主張。
文中幾つも出てきた月の名称をふんだんに使いたいが為に書いたもの。ふんだんに使えて満足。笑
続きも書きたいかも知れない。月見出来たのかな三成。
でも屹度、御月見してるのは政宗様だけだよね、三成は月見ばっかしてて、政宗様に訝しがられれば好いよ。
「誘っておいて何じゃ其の態度は」
胡乱げに見られて不器用発揮すれば好いよ!
「どんな態度で月を愛でようが、俺の勝手だ」
なァんてね!
そしてむかっ腹立った政宗様が早々に切り上げて伊達屋敷に帰っちゃったものだから拗ねて左近に中り散らせばいいよ!嗚呼楽しい!!左近可哀相!!笑
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